アクセス激減?Google新アルゴリズムがヤバい

この記事の要約
2025年5月、Googleのコアアップデートが広範囲に影響を及ぼしていることが明らかに。企業サイトから個人ブログまで検索順位に大きな変動が発生し、特にAI生成コンテンツやE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)重視の評価軸が注目されている。本記事では、SEO業界で起こっている混乱やWeb制作者たちの声、今後の対策などを、筆者の体感も交えながら丁寧にレポートしていく。
Googleコアアップデートとは何か
「また来たか…」というのが、筆者を含む多くのSEO担当者たちの率直な感想だろう。2025年5月1日深夜、Googleが公式にコアアップデートの実施をアナウンス。検索結果の表示順位が大きく変動するこのタイミングは、Web業界にとってまさに「嵐の前触れ」のようなものだ。
Googleは、年に数回、大規模なアルゴリズムの調整を行う。それが「コアアップデート」と呼ばれるものだ。これにより、特定ジャンルのサイトが急激に順位を上げたり、一方で、何年も1位を守ってきたような老舗サイトが圏外に飛ばされたりする。まさに“地殻変動”である。
2025年5月のアップデートでは、特に「E-E-A-T(Experience・Expertise・Authoritativeness・Trustworthiness)」の4軸が再評価されたとの見方が強い。また、AIによる生成コンテンツが過剰な場合は、人間らしい「文脈性」「信頼性」の欠如を理由に評価が下がる事例も報告されている。
今回の変動は、特定の業界に偏っているというよりも、「全ジャンルへの影響」が見られる点が特徴だ。特に金融・医療・法律など“YMYL(Your Money Your Life)”とされる領域では、信頼性のないサイトが急落し、逆に公式機関の情報や権威ある人物によるコンテンツが上昇傾向にある。
筆者自身もいくつかのサイトを運営しているが、そのうち1つは「健康食品のレビュー」を扱うメディアで、アクセス数が約30%減という痛手を受けている。一方、公式の資料や専門家の監修を入れた記事を中心とした別のサイトはむしろ順位が上がった。まさに、Googleが評価の軸を明確化した結果だといえる。
アップデートがSEOに与える影響
このアップデートにより、SEO施策の“常識”が改めて問い直されている。例えば、「文字数を多くすればいい」「内部リンクをたくさん張ればいい」といった施策が、もはや通用しないケースが増えてきた。
一番のポイントは、「その情報が誰にとって、どれだけ役立つのか」というユーザー視点の再評価にある。Googleは今回、AIコンテンツの氾濫による“情報の希薄化”を是正しようとしている印象を受ける。つまり、生成ツールで量産された「テンプレ的な記事」ではなく、明確な体験談や一次情報を含んだ“人間らしい”文章こそが評価されやすくなったのだ。
また、筆者がいくつかのSEOコミュニティを覗いた限り、以下のような投稿が目立った。
- 「完全AI記事のブログがほとんど圏外に…手動リライト始めます」
- 「外注ライターに専門性と体験談を必須で依頼するようにした」
- 「GoogleマイビジネスやSNSアカウントのリンクと連携させて“実在性”を強調する方針」
つまり、テクニカルSEO以上に、「誰が」「なぜ」「どんな経験をもとに書いているか」という“書き手の人格”が求められる時代になってきたというわけだ。
この流れは、特に企業メディアやECサイトにも波及している。商品レビュー記事などで「PR表記なし」「写真なし」「ライター情報なし」といった記事は、順位を大きく下げている傾向があるようだ。
もちろん、これは筆者の体感でもあるが、複数のWeb制作者の声と照らし合わせても、おおむね一致している印象を受けた。
Web業界の反応と対応
さて、こうした状況下で、実際のWeb制作者やマーケターたちはどう動いているのか。筆者が所属するSEO関連のSlackコミュニティやフォーラム、X(旧Twitter)などを眺めていても、反応は実にさまざまだ。
あるマーケティング会社の運営者はこう投稿していた:
「今までのSEO対策が通用しない。順位が下がった原因がわからない、でも“誠実な情報提供”に立ち返るしかないのかも」
また、長年サイト運営を続けている個人アフィリエイターはこう語る:
「Googleの気まぐれには付き合いきれん。でも、やっぱりユーザーからの反応がある記事は残るんだよね」
このように、確かに動揺はあるものの、多くの人がある意味で“覚悟を決めた”ようにも見える。要するに、「本当に価値あるコンテンツ以外は残らない時代」になってきたという自覚が、業界全体に広がっているのだ。
今回のアップデートでは、いくつかの「勝ちパターン」も見え隠れしている。たとえば:
- 実名ライターの記事+体験ベースの内容+写真やSNSとの連携がある
- Googleマイビジネス・実在の法人との紐づけが強い
- 更新頻度が高く、かつ1記事1記事に熱量がある
これらはやや泥臭くもあるが、“Web2.0の原点”のような感覚もある。情報の海のなかで信頼を得るためには、目立つよりも“確かさ”が大事なのかもしれない。
今後のSEO戦略はどう変わる?
筆者は、今後のSEOにおいて以下のような方向性がより強く求められると考えている。
1. ライターや執筆者の「人格」と「透明性」がより重要に
もはや「誰が書いたのか」が問われる時代になった。プロフィールに専門性があるか、SNSでの実績や信頼が可視化されているか。単に記事を生成するのではなく、「この人の記事なら読んでみよう」と思わせる工夫が鍵になる。
2. 体験談とレビューの信頼性強化
AI生成記事では難しい「実体験」こそが今、最も求められている要素かもしれない。商品レビュー、施設レポート、イベント体験──これらは“人間”でしか書けない。SEOというより“人間的価値”をどう残すかがポイントだ。
3. ユーザーにとっての意味ある更新
コアアップデートが入るたびに焦って全記事を見直すのではなく、「誰にとって」「何のために」更新するのかを見極める力が問われている。たとえば最新情報を加筆する、古くなった情報を整理するなど、メンテナンスの思想が重要だ。
Googleは「Helpful Content(役立つコンテンツ)」という言葉を頻繁に用いるが、それは検索エンジンではなく「ユーザーのために書け」と言っているのだと筆者は受け取っている。
ちなみに筆者も今回のアップデートを受け、複数の自社サイトをチェックし、以下のような対策を行った:
- AI記事の再編集と監修者情報の追記
- 記事冒頭に「筆者の経験」セクションを設置
- プロフィールにSNSとnoteリンクを統合
結果、落ち込んでいたアクセスが微増に転じたページもある。急に劇的な改善はなくとも、誠実に整備し続けることで、Googleにも、何よりユーザーにも信頼されるサイトになっていく実感がある。
このような試行錯誤は今後も続くだろうし、1つの答えがあるわけでもない。ただ、「正直に・丁寧に・誰かの役に立つこと」を続ける──という、極めてシンプルな原点回帰が、今回のアップデートの本質なのではないだろうか。
最後に、SNSの一部で見かけた声も紹介して締めたい。
「SEO業界、また大嵐。でも、こういうときに残るサイトが“本物”なんだろうな」 「AIは便利だけど、結局“人の声”が強い。今後は“人に響く記事”を意識していきたい」 「順位落ちて凹んだけど、読者から『この記事読んで救われました』ってDMきて涙出た」 「もう順位じゃない。信頼されることが一番大事なんだって気づかされた」 「Googleに振り回されるのは疲れるけど、それでも“届けたい”ものがあるから書き続ける」
この声たちに共感した方も多いはず。筆者自身もそのひとりだ。次のアップデートがいつになるかは分からない。しかし、ユーザーのために書く──その原則さえ忘れなければ、きっと道は続いていく。