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知らずに高額請求!?国民健康保険の真実

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この記事の要約

「国民健康保険ってなんでこんなに高いの?」そう思ったことがある人は少なくないでしょう。本記事では、国民健康保険(国保)の基本的な仕組みから、計算方法、どうして高く感じるのかの理由、さらに副業やフリーランスにおける節約方法まで、徹底的に解説します。

「国民健康保険」が高いと感じるのはなぜ?

副業やフリーランスを始めたとき、多くの人が最初につまずくのが「国民健康保険の保険料の高さ」です。

会社員時代には給料から天引きされていた社会保険料。辞めて独立したり、副業が軌道に乗って会社を退職すると、自分で「国民健康保険」に加入する必要が出てきます。

そしてその請求額を見た瞬間、「え? こんなに払うの?」と驚く方も少なくありません。

実際、国民健康保険は収入が増えると比例して保険料も高くなる仕組みです。しかも自治体によって金額に差があり、東京23区の一部では「年額50万円を超える」ケースもあります。

しかし、高いと感じる理由には仕組みの理解不足も大きく関係しています。本章では、まず国民健康保険の「基本構造」から丁寧に見ていきましょう。

国保の基本構造とは?

国民健康保険は、会社員が加入する「健康保険(協会けんぽや組合健保)」とは異なり、個人事業主や退職者などが加入する「地域単位の保険制度」です。

その特徴をざっくりまとめると、以下のようになります

  • 自治体(市区町村)が運営
  • 前年の所得に応じて保険料が決定
  • 扶養の概念がなく、家族1人ひとりに保険料がかかる
  • 給付内容は協会けんぽと大きくは変わらない

つまり、会社員時代の「扶養に入るから配偶者の保険料は不要」という考え方が通用しないため、家族構成によって一気に保険料が跳ね上がることもあります。

「所得ベース」の仕組みが高額請求の原因に

国民健康保険の保険料は「前年の所得」をベースにして計算されます。

たとえば、2024年に届いた保険料通知書の金額は、2023年の収入(所得)をもとに計算されているのです。

そのため、副業を始めて大きく稼いだ年の翌年は、保険料がグンと跳ね上がります。

一方、収入が落ち込んだとしても、反映されるのは翌年。つまり「去年稼いだ分の代償を、今年払う」というタイムラグがあるわけです。

この点が、国保が「なんだか損している」「高すぎる」と感じる大きな原因のひとつです。

国民健康保険の保険料はどうやって決まる?

では、実際にどのようにして国民健康保険の保険料が決まるのか。これを正確に理解しておくことが、節約や対策に繋がります。

保険料の内訳は「所得割」「均等割」「平等割」

国民健康保険の保険料は、次の3つの要素から構成されます

  • 所得割:前年所得に対して〇%という形で決定
  • 均等割:世帯の加入者1人ごとに一定額
  • 平等割:世帯に対して一律の額

この3要素の合算が年間保険料になります。

たとえば、ある自治体で所得割が8%、均等割が1人あたり3万円、平等割が2万円という設定だったとしましょう。世帯に2人加入者がいて、所得が300万円なら、

「所得割24万円+均等割6万円+平等割2万円=合計32万円」

となります。これを12ヶ月で割ると、月額約2万6,000円です。かなりのインパクトですよね。

自治体によって金額に差がある

国保の保険料は「市区町村単位」で決まるため、同じ年収・同じ家族構成でも、住んでいる場所によって負担額が大きく変わります。

たとえば、大都市圏では医療費や行政コストが高いため、保険料も高くなりがちです。

反対に、地方や人口の少ない自治体では、同じ条件でも年間10万円以上差がつくこともあります。

つまり、「引っ越しによる節約」が現実的に可能なケースもあるのです。

このあたりは、フリーランスや副業中心の働き方において、拠点を柔軟に変えられる人にとって重要な視点となります。

副業・フリーランス向け!国保の節約術

節約の鍵は「所得の圧縮」にあり

国保の保険料はあくまで「所得」に応じて決まります。ここで言う所得とは、いわゆる「売上」や「給与収入」そのものではなく、経費や控除を引いたあとの金額です。

つまり、「同じだけ稼いでも、最終的な所得を低く抑えること」が節約への第一歩になります。

副業やフリーランスであれば、必要経費として落とせるものを正しく計上することが重要です。たとえば

  • パソコンやスマホなどの通信機器代
  • 自宅の一部を仕事部屋として使っている場合の家賃・光熱費の按分
  • 打ち合わせのカフェ代や交通費
  • 書籍やオンライン講座などの勉強代

これらを漏れなく申告することで、所得を抑え、結果的に国保の保険料も下げられるのです。

意外と知られていない「減免制度」

所得が急減したり、事業が赤字になった場合、「保険料の減免」を受けられることがあります。

この制度は市区町村によって多少異なりますが、以下のような条件で申請が可能です:

  • 前年より所得が著しく減った
  • 失業・廃業・病気などで生活に困窮している
  • 災害や事故などの影響を受けた

減免を受けるには、所定の書類提出が必要ですが、多くの人が「そもそも制度を知らない」ために損しているのが実情です。

副業で収入が不安定な方、事業の立ち上げ期で赤字が続く方は、迷わず役所に相談してみましょう。「減額対象外です」と言われたらそこまでですが、聞いて損することはありません。

確定申告と医療費控除で「ダブル節約」

確定申告の際に、医療費控除を利用することで、所得税の還付を受けられるだけでなく、所得控除によって「翌年の国保保険料」も下がる可能性があります。

年間10万円を超える医療費を支払った場合は、その分を差し引くことができるため、ぜひ忘れずに申告しましょう。

また、セルフメディケーション税制のような新しい制度もあります。こうした制度は、正直「申請が面倒」と思われがちですが、数千円〜数万円の節約につながるなら、やらない理由はありません。

“扶養”の壁とその代替策

会社員時代にあった「扶養」という考え方。たとえば配偶者が働いていて、自分は扶養に入っていたため保険料がかからなかった、という人も多いでしょう。

しかし、国民健康保険においては“扶養”という概念がありません。家族全員が「個別に保険料を支払う」という形になります。

家族が多いほど、保険料は膨らむ

前述の通り、国保には「均等割」という概念があるため、1人増えるごとに一定額が加算されます。つまり、世帯人数が多い=保険料も高くなるという構造です。

たとえば、夫婦+子ども2人という4人家族の場合、均等割が1人あたり3万円なら、それだけで12万円が上乗せされます。

さらに、収入が一人に集中していると「その人の所得に応じて家族全員分を払う」状態に近くなり、非常に重い負担になります。

“世帯分離”という裏ワザ

少しマニアックな方法ですが、「世帯分離」という手続きによって、保険料負担を抑えられるケースもあります。

世帯分離とは、同じ住所に住んでいても住民票上の世帯を分けることで、保険料や介護保険料の計算が個別に行われるようにする方法です。

ただし、これはリスクも伴います。たとえば、家族内で扶養的な要素がある場合、世帯分離によって助成制度などが受けにくくなることもあります。

必ず事前に市役所で相談し、自分の家庭にとって有利か不利かを確認したうえで判断しましょう。

節約の最後の切り札は「選択の自由」

国民健康保険は、日本国内ならどこでも加入義務がある制度です。

しかし、「保険料が安い自治体に住む」という選択肢は、引越しが可能な人にとっては非常に有効な戦略です。

実際、地方移住によって

  • 国保の保険料が年間10万円以上減る
  • 固定資産税や住民税も下がる
  • 生活コスト全体が下がる

というメリットを得られたという実例は数多くあります。

もちろん簡単な決断ではありませんが、リモートワーク中心や自由な働き方を選べる時代だからこそ、「税・保険料まで含めたライフプラン設計」を真剣に考える価値があります。

この記事を通じて、国民健康保険が高く感じる理由、そして実際に保険料を抑えるための具体策を幅広く解説してきました。

「何も知らないまま、ただ高い請求を支払っている」のではなく、「知って、選んで、賢く節約する」。このスタンスが副業・フリーランス時代を生き抜く上での武器になります。

ぜひ一度、自分の保険料を計算してみてください。そして、「節約できる余地があるか?」を一緒に考えてみましょう。

あなたのお金と人生を守る第一歩は、こうした小さな「知識の積み重ね」から始まります。

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