AIが私の5日間を完全支配!?意外な結末とは

この記事の要約
この記事では、「AIに生活のすべての決定を委ねる」という実験に5日間挑戦した筆者のリアルな体験をレポートします。朝食や服装、スケジュール、行動など、あらゆる判断をAIに任せた結果、日々の生活はどう変わったのか。便利さだけでなく、想定外の気づきや落とし穴も含めて、人間とAIの「距離感」を再考するきっかけとなる内容です。AI活用の可能性と限界を、実体験ベースでご紹介します。
生活の“決定権”をAIに預けてみた理由
朝から晩まで、私たちは大小さまざまな「決定」を下しています。朝ごはんは何にするか、何を着るか、何時に家を出るか。仕事が終わったら何を食べるか、どの電車に乗るか——こうした日常の選択が、じつは知らないうちに脳のエネルギーを削っているという話、ご存じですか?
そんな「決断疲れ」を解消したくて、ある日思い立ちました。「この5日間、生活のすべてをAIに任せてみたらどうなるだろう?」と。 使うのはもちろん、日々進化を続けるChatGPT。食事のメニューから行動計画まで、あらゆる質問に即座に答えてくれるAIに、自分の人生を“委ねてみる”という実験が始まりました。
この挑戦の狙いは、「AIに日常の判断を任せたら、自分の時間や心の余裕はどう変わるか」を検証すること。仕事や副業、家事、育児など、時間がいくらあっても足りない現代人にとって、AIによる生活支援の可能性を探るチャレンジでもあります。
Day1:AIが決めた1日のはじまりは、意外と穏やかだった
初日の朝は、目覚めとともにAIに「今日は何を朝食に食べたらいい?」と尋ねるところから始まりました。ChatGPTの提案はこうでした。
- ・全粒粉トースト
- ・スクランブルエッグ
- ・バナナとヨーグルト
- ・ブラックコーヒー
——うん、悪くない。むしろ「健康的すぎる」と思えるくらいのバランスメニューでした。
服装の相談では、「今日の天気と気温は?」から始まり、「オフィスカジュアルに適した服を教えて」と尋ねると、きちんと気温とTPOに合わせたコーディネートを提案してくれました。 まるでスタイリストがそばにいるような安心感。何より、朝から「何着よう…」と悩む時間がゼロになったのは驚きです。
その後、AIにスケジュールを渡し、「午前中はどう動くべき?」と聞くと、集中作業時間、休憩時間、確認業務などがバランスよく提案され、予想以上に効率的な1日がスタートしました。
正直、最初は「お遊び感覚」だったこの実験。ところが、“決めてもらえる”ことの心地よさに早くも気づき始めていたのです。
AIの指示に従うことの気持ちよさと怖さ
この日一番の発見は、「AIの指示に従う方がラク」という心理的な安心感です。 人間は“選択”に疲れるといいますが、その選択肢を提示してもらえるだけで、脳はぐっとラクになるんです。
とはいえ、すべてAIの言うとおりに従っていたら、自分の“意思”はどうなるのか——そんな小さな不安も同時に芽生えました。
AI生活が「自分の意志」とどう向き合うかを問う
夜、AIに「夕食は何を食べるべきか」と尋ねると、まさかの「豆腐と納豆を中心にした和定食」がおすすめされました。 確かに健康的。でも、正直その日はラーメンが食べたかったのです。
悩みました。「AIの指示に従う」と決めた以上、忠実に守るべきなのか。でも、自分の“気分”を無視していいのか——。
このとき初めて、「AIに委ねる」という行為が、ただの便利さではなく、“自分自身と向き合う行為”になることに気づかされました。
Day2〜Day4:生活が整うほど「感情の違和感」も増していく
2日目から4日目にかけて、生活のリズムはどんどん整っていきました。
例えば2日目、AIに「今日の仕事の優先順位をつけて」と頼んだところ、タスクを緊急度・重要度のマトリクスで整理し、午前中は集中系、午後は雑務系に振り分けてくれるという合理的な提案をしてくれました。
また、昼食のメニューも冷蔵庫の中身を伝えただけで、無駄なく健康的なレシピを教えてくれるのだから驚きです。買い物のメモまで作ってくれます。
3日目には「リラックスできる夜の過ごし方は?」と聞いたところ、深呼吸を取り入れたストレッチ、30分の読書、そしてスマホは寝る1時間前に手放す、という“お手本すぎる”プランが。
実際に実行してみると、驚くほど熟睡できたことに感動しました。これまで自分がいかに情報過多の中で生活していたかを実感する日々です。
「正しさ」ばかりが積み重なる日常の違和感
でも、どこかでむくむくと湧いてきたのが、“感情とのズレ”でした。
AIは「正しい判断」はしてくれるけど、「今の自分が求めてるもの」までは読み取れない。 たとえば、ある日仕事で嫌なことがあり、「気分を変えたいからジャンクなものを食べたい」と思っても、AIは冷静に“正しい”食事を提案してきます。
ここで私は初めて、「AIは共感はしない」という現実をはっきりと突きつけられました。 人間同士なら、感情に寄り添って「今日はラーメンにしようよ」となるかもしれない。でもAIはあくまで“効率”と“最適解”を優先してくるのです。
「考えない生活」はラクだけど、空虚さも残る
この数日間、生活のストレスは大幅に軽減されました。 決断に迷わなくなり、生活習慣も改善し、無駄な出費も減りました。 「AIに生活の舵を取ってもらう」のは確かに効果的だと感じます。
ただ同時に、「自分で選ぶ」という行為には、意思と感情の居場所があるのだとも実感しました。
AIにすべてを任せることで、失われるのは「自分の欲望に従う自由」です。 日々が“効率のよい日常”で満たされる一方で、「今日はなんとなく気が向かない」「ただ理由もなく○○がしたい」という衝動は、排除されてしまう。
この違和感は、AIを活用する上で忘れてはいけないバランス感覚だと痛感しました。
Day5:最終日、AIに“相談”してみた
最終日、私はふと思いました。 「じゃあ、AIは“悩み”にどう答えるのか?」と。
そこでChatGPTにこう問いかけました。
- 「最近、頑張っても報われない気がする。どうしたらいい?」
返ってきたのは、論理的で優しい回答でした。 「努力がすぐに結果に結びつかないのは当然のことです。ただ、積み重ねは必ず形になるので、焦らず、自分を信じてください」と。
このやり取りで感じたのは、AIは“心を読まないが、心に寄り添う言葉”を出すことはできるということです。
もしかしたら、AIは“感情を理解する”のではなく、“感情を想定した対話”ができる存在なのかもしれません。
それだけでも、現代人にとっては救いになることがあるんだな、と強く思いました。
AIにすべてを任せた5日間を終えて
この5日間、生活のあらゆる判断をAIにゆだねてみた結果、生活は効率的に、スムーズになり、驚くほど“整った日々”が訪れました。
けれど同時に、「生きるって、ただ正しく過ごすことじゃない」ということも知りました。 気まぐれや感情や、自分勝手な欲望もまた、人間らしさのひとつです。
AIとの共存は、あくまで“補助”や“サポート”であって、主導権を明け渡してしまうものではない。 そう感じたからこそ、これからは「任せる部分」と「自分で選ぶ部分」を意識して使い分けるのが、AIとの賢い付き合い方だと実感しました。
もしあなたが日々のタスクや決断に疲れていたら、まずは“朝のメニュー”だけでもAIに聞いてみてください。 そこから少しずつ、自分に合った“AIとの距離感”が見えてくるはずです。
私たちの生活は、これから確実にAIと共にあります。 そのとき大切なのは、AIに使われるのではなく、AIを活かすという意識です。
5日間の実験は終わりましたが、“人間らしく、でもAIも使いこなす暮らし”はこれからも続いていきます。
【付録】この記事で使ったAIプロンプト集
以下は、ChatGPTなどのAIと5日間生活を共にする中で、実際に使用したプロンプト(命令文)です。日々の生活にそのまま使えるよう調整していますので、読者の皆さんもぜひお試しください。
Day1:基本スケジュール作成&タスク管理
- 「明日のスケジュールを30分刻みで立てて。起床は7時、就寝は23時」
- 「優先順位が高い仕事はどれか整理して、順番をつけて」
- 「タスクの緊急度・重要度マトリクスで今日の仕事を整理して」
Day2:食事・健康管理
- 「冷蔵庫にあるのは、キャベツ、卵、鶏むね肉。ヘルシーな昼ごはんのレシピを教えて」
- 「今日の食事内容を元に、カロリーと栄養バランスをチェックして」
- 「一人暮らし向けの簡単で健康的な献立を1週間分作って」
Day3:感情・ストレス対応
- 「今日は気分が沈んでる。元気を出すには何をすればいい?」
- 「ストレスが溜まってる日の夜におすすめの過ごし方を教えて」
- 「5分でできるリラックス法をいくつか提案して」
Day4:生活改善&習慣化
- 「夜ふかしを防ぐための習慣リストを作って」
- 「朝のルーティンで集中力を高める方法を教えて」
- 「無駄遣いを防ぐための1日3つのルールを作って」
Day5:悩み相談&哲学的対話
- 「最近、努力しても報われない気がする。どうしたらいい?」
- 「人生に疲れた時、どうやって立て直せばいい?」
- 「人間らしい生き方ってなんだと思う?」
番外編:AIとの暮らしを始めたい人向けの導入プロンプト
- 「毎日の生活を少しでも良くするAI活用術を5つ提案して」
- 「AIとの1日を始めるための朝のルーティンを作って」
- 「AIを活用したタイムマネジメント術を初心者向けに解説して」
上記のプロンプトは、ChatGPTだけでなく、GeminiやClaude、LINE CLOVAなど他のAIツールにも応用可能です。
生活の“悩み”や“面倒”を少しでも減らしたいなら、まずは1つだけ試してみてください。意外な発見や、自分の思考パターンのクセに気づくヒントが見えてくるかもしれません。