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イカした10年!スプラトゥーンが変えたゲームの世界

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この記事の要約

2025年5月28日、任天堂の人気ゲームシリーズ『スプラトゥーン』が発売から10周年を迎えた。イカたちが繰り広げるカラフルでポップな陣取りバトルは、2015年のWii U版から始まり、シリーズを追うごとに進化を遂げてきた。単なるシューターゲームにとどまらず、“ファッション”“音楽”“フェス文化”といった独自の世界観が若者を中心に幅広く支持され、いまや“文化”として根付いている。この記事では、10年間の歩みと共に、プレイヤーたちの声や開発者の想い、そしてスプラが与えた社会的な影響を振り返りながら、その魅力を再確認していく。

スプラトゥーン、10年の軌跡と進化の物語

2025年5月28日——この日、『スプラトゥーン』というゲームが誕生してからちょうど10年の節目を迎えた。

今や、任天堂を代表するIPのひとつとして世界的な人気を誇る本作だが、2015年にWii Uというややマイナーなハードで産声を上げたことを思うと、ここまでの成長は驚異的だと言える。

初代『スプラトゥーン』の最大の魅力は、「インクで塗って陣地を奪い合う」という独自のルールにあった。

当時のTPS(サードパーソンシューティング)ジャンルにおいて、敵を倒すことよりも「塗り」が勝利条件になるという発想は極めて斬新だった。加えて、ポップな色使い、個性的なキャラデザイン、そしてキッズや女性層にも刺さるアートワークの数々が、瞬く間に口コミで広がっていった。

「撃つ」よりも「塗る」。戦闘=倒すという固定観念を壊した点が、スプラの革命だったとも言える。

当時、筆者は大学生で、発売日に友人宅に集まり、ワイワイ言いながら初スプラをプレイした記憶がある。

「これ、なんか“戦ってる”ってより“遊んでる”って感じでめっちゃ楽しい!」

その友人の一言が、まさに当時のスプラを象徴していた。

ただの対戦ゲームではなく、“遊び心”が勝利の鍵になるこのゲーム性に、私たちはすぐ夢中になった。

ちなみにその日、全員深夜3時まで帰れなかったことも、良き思い出である。

そんな『スプラトゥーン』が、2作目・3作目と進化を重ねてきた10年の間、プレイヤーたちは単に「勝ち負け」以上のものをこの世界に見出してきた。

「スプラで仲良くなった人とリアルで会った」「夫婦でハマって一緒にフェス出た」「引きこもりだったけど、スプラがあったから社会に出るきっかけになった」——

ゲームという枠を越えて、人間関係を育み、人生にインパクトを与えてきたコンテンツ。それがスプラトゥーンなのだ。

開発陣の思い入れも深い。2023年のインタビューでは、開発チームのディレクターがこう語っている。

「“どんな人でも楽しめる、でも極めればとことん深い”という、ギャップのあるゲーム体験を目指したんです」

この言葉通り、スプラは初心者にも優しいが、ガチ勢には無限の研究材料を提供し続けてきた。

武器の特性、マップごとの立ち回り、ギアの組み合わせ、味方との連携——すべてが奥深く、それでいてリスタートのテンポも速く、何度でも挑戦したくなる。

そしてもう一つ忘れてはならないのが、フェスの存在である。

お題に応じて“どっち派?”に分かれ、全プレイヤーがオンラインで戦い抜く期間限定イベント。

「イカ vs タコ」「ケチャップ vs マヨネーズ」「どっちが先?にわとり vs 卵」——

この絶妙なセンスが、プレイヤーたちの投票と共感を生み、SNSではトレンド入りが常連となった。

「自分は“にわとり派”だから、絶対負けられない!」「フェス当日は絶対予定空けとく!」

まさに“スプラ文化”と呼べる熱狂が、ここに存在していたのだ。

前半では、スプラトゥーンの誕生から1作目〜3作目、そしてフェスやカルチャー面での進化を中心に振り返ってきた。

中盤では、いよいよ“10周年記念の動き”に焦点を当て、現在行われているキャンペーンやファンの声、そして“なぜここまで人を惹きつけるのか”という本質に迫っていく。

シリーズの進化とファンの熱狂

「スプラトゥーン」は、2015年にWii U向けに発売された初代作から始まり、そのスタイリッシュな世界観と「ナワバリバトル」という斬新なルールで瞬く間に注目を集めた。

それまでの任天堂といえば「マリオ」「ゼルダ」といったファンタジー色の強い作品が主力だったが、「スプラ」はストリートカルチャーとポップアートが融合したようなテイストで、明らかにこれまでの任天堂とは異なる印象を与えた。

とくに若年層を中心にファッション性の高さや音楽の世界観が評価され、「オシャレでかっこいいゲーム」という立ち位置を確立。eスポーツとしても大会が開催されるなど、コアなファン層の熱量は年々高まっていった。

『2』で広がった層、そして『3』へ

2017年にNintendo Switchで発売された『スプラトゥーン2』では、シリーズとして初の携帯・据え置き両対応となったことで、プレイヤー層が大幅に拡大。SNSとの相性も良く、Xではフェスのたびに関連ワードがトレンド入りするなど、爆発的な人気を見せた。

2022年に発売された『スプラトゥーン3』では、新ステージ、新ブキ、新たな物語要素が追加され、プレイヤーの戦略の幅が広がった。

「バンカラ街」や「サーモンランNEXT WAVE」など、過去作からの正統進化を果たしながらも、新規参入者にも優しい設計が評価され、シリーズ最大のヒット作となった。

実況者・イラスト文化・音楽での拡散

スプラトゥーンの盛り上がりには、ゲームそのものの面白さだけでなく、周辺カルチャーの発展も大きく影響している。

たとえばYouTubeやニコニコ動画では、多くの実況者がスプラトゥーンのプレイ動画を投稿しており、それをきっかけにゲームを始めた人も多い。

またXやPixivでは、イカやタコたちのファンアートや二次創作が数多く投稿され、スプラトゥーン特有のキャラデザや色使いの魅力が広く共有されている。

さらに注目すべきは、ゲーム内の音楽。架空のアーティストによる楽曲が作品世界に深く根付いており、「シオカラーズ」や「テンタクルズ」などはゲームの枠を超えてリアルライブイベントが開催されるほどの人気を誇っている。

こうした“多方面から愛される設計”こそが、スプラトゥーンが10年にわたり多くのファンに支持され続ける理由なのだ。

「スプラ」の10年が描く“未来”とは?

次世代ハードとスプラトゥーンの未来

任天堂の次世代ハードが噂されるなか、ユーザーたちは当然のように「スプラトゥーン4」の登場を予測しています。

過去のサイクルを振り返ると、およそ5~6年周期で新作が出ており、次回作も2026~2027年頃には出るのではと囁かれています。

グラフィックの進化だけでなく、戦略性やeスポーツ路線の強化、新しい武器システムやAI協力バトルの導入も期待されています。

また、マップやギアの自動生成、あるいはユーザーによるカスタマイズ可能な「バトル空間」など、より“創造的”な方向に進化する可能性も。

スプラトゥーンと“社会性”の共鳴

10年間で明らかになったのは、スプラトゥーンがただのゲームではなく、「社会的な接点」でもあるということです。

例えば、フェスでの“お題”は時に社会風刺を含み、ユーザーの価値観を炙り出します。

また、学校の部活動でeスポーツとして採用されるなど、教育や地域社会との関わりも強くなっています。

これからのスプラトゥーンは、プレイヤー同士のつながりをより深め、「社会の中のエンタメ」として定着していくでしょう。

それは同時に、ゲームを起点とした新しい“文化の形成”でもあります。

10年目のいま、改めてスプラトゥーンを語ろう

あなたにとって“スプラトゥーン”とは?

この記事をここまで読んでくださったあなたに、問いかけたいことがあります。

あなたにとって、スプラトゥーンはただのゲームですか? それとも、日々の生活を彩る“居場所”でしょうか。

勝ち負けに一喜一憂しながら、仲間と笑った日々。新しい武器を手にしたときのワクワク感。フェスの発表で盛り上がった夜――

スプラトゥーンは、ただの「遊び」ではなく、人生の中にしっかりと居座っている“記憶”なのかもしれません。

そして次の10年へ

節目の10周年を迎えたスプラトゥーン。

これまでの10年がプレイヤーたちによって築かれたように、これからの10年も、私たち一人ひとりの“ナワバリ”によって形作られていくのでしょう。

新しいゲーム、新しい物語、新しい仲間。

次にインクを撒くのは、この記事を読んでいるあなたかもしれません。

さあ、今日もナワバリバトルに出かけよう。

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