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5月27日はドラクエの日!歴史と魅力を再発見

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この記事の要約

5月27日は「ドラゴンクエスト(ドラクエ)の日」。1986年、ファミコン向けに初代『ドラゴンクエスト』が発売された記念日として、2018年に正式に記念日認定されました。日本のRPG文化の礎を築き、今も多くのファンに愛される“国民的ゲーム”として君臨し続けるドラクエの歩みを、記念日の今日にあらためて振り返ります。シリーズの魅力、誕生の裏側、そしてなぜ今もなお「ドラクエらしさ」が語られ続けるのか。ファンならずとも楽しめる、ドラクエの世界を再発見しましょう。

5月27日は“ドラクエの日”──それってなに?

毎年5月27日になると、SNSのトレンドに「ドラクエの日」「ドラゴンクエスト」というワードが浮上します。

実はこの日は、初代『ドラゴンクエスト』がファミコンで発売された日。 1986年5月27日、まさに日本のゲーム史にとっての“革命の日”だったのです。

この発売日を記念し、2018年には「日本記念日協会」により正式に「ドラクエの日」として登録されました。

記念日が登録された理由としては、単にシリーズの人気だけではなく、日本におけるRPGというジャンルの文化的影響の大きさが認められたからこそ。

ドラゴンクエストがあったからこそ、今のゲーム文化がある。 そう言っても過言ではない日、それが「ドラクエの日」なのです。

“記念日”に込められたファンと開発者の思い

2018年5月27日、東京で開催されたイベントでは、堀井雄二氏が自ら登壇し、 「ここまで愛され続けるゲームになるとは、正直思っていませんでした」と語りました。

発売当初、テレビCMはなく、口コミだけでじわじわと人気が広まり、 後に社会現象へと発展していったドラクエ。

だからこそこの記念日は、単なる“発売日”ではなく、“文化の始まり”を祝う日として、 ファンにとって特別な意味を持つようになったのです。

1986年の衝撃:ドラクエはこうして誕生した

今でこそ「国民的RPG」として知られるドラクエですが、 その始まりはごくごく小さな開発チームによる“挑戦”でした。

開発の中心メンバーは以下の3人

  • 堀井雄二(ゲームデザイン・シナリオ)
  • 中村光一(プログラム、チュンソフト)
  • すぎやまこういち(音楽)

このチームが、「ドラゴンを倒す王道RPG」を日本で初めて“家庭用ゲーム機”に落とし込んだのです。

当時のファミコンには“RPG”という概念がなかった

ファミコンといえば、アクションやパズルが主流だった時代。

RPGといえば、パソコンゲームの中でしか存在していない──そんな中、 堀井雄二氏は「誰でも物語に入り込めるRPGを作りたい」と決意します。

それを実現するために重要だったのが、「コマンド選択型バトル」「感情を持った村人たち」の存在。

プレイヤーが自分の名前を入れて旅に出る。村人がちゃんと反応してくれる。 そんな体験は、それまでのどんなゲームにも存在しなかったのです。

結果、『ドラゴンクエスト』は累計で150万本以上を売り上げ、 その後のゲームデザインに多大な影響を与えることになります。

シリーズの進化と“変わらない核”

初代『ドラゴンクエスト』が発売されてから38年。 シリーズはナンバリングだけで11作(2025年現在)、 スピンオフやリメイクを含めると数え切れないほどの作品が生まれました。

その中で特筆すべきは、「変わらない部分を大事にしながら、時代に合わせて進化している」という点です。

変わらない“ドラクエらしさ”とは?

私が感じる「ドラクエらしさ」は、以下の3点に集約されます

  • 勇者と魔王の物語という王道構成
  • 戦闘中のコマンド式バトルの安心感
  • 村人のセリフや小ネタから感じる“人間味”

たとえば、ドラクエ5で「ビアンカかフローラ、どちらを選ぶか」に頭を悩ませた人は数知れず。

あの選択がただの“ゲームの分岐”ではなく、自分の人生のような重みを持って感じられたのは、 ドラクエが「プレイヤーの感情に寄り添ってきたゲーム」だからに他なりません。

“ドラクエ文化”は今も生きている

ドラクエが“昭和・平成のゲーム”だと思っている人がいたら、それはもう時代遅れかもしれません。

なぜなら、ドラクエは「文化」として今もなお、進化と浸透を続けているからです。

その証拠が、SNSやYouTubeでの盛り上がり。

ドラクエの日(5月27日)になると、Xでは

  • 「#ドラクエの日」でファンアートが続々投稿
  • 歴代BGMの演奏動画やオーケストラ再現
  • 「あなたのドラクエ初体験は?」の思い出語り

これらが自発的に毎年盛り上がるのが、ドラクエという作品の“現役性”を証明しています。

今、ドラクエを初体験する若者も増えている

驚くべきことに、2020年代に入ってもドラクエデビューを果たす若年層は後を絶ちません。

理由は

  • スマホで遊べるナンバリング作(DQ1〜8など)
  • スピンオフ作品(ドラクエビルダーズやウォーク)の入りやすさ
  • 親子で遊ぶ文化が根付きつつある

親がハマっていたドラクエを、今は子どもがSwitchでプレイする時代。 “思い出”が“継承”されていくRPGって、なかなかありません。

「ドラクエの日」の過ごし方いろいろ

では実際に、ドラクエファンはどんなふうに5月27日を祝っているのでしょうか?

ネットやオフ会でよく見かけるのが、こんな“お祝いスタイル”。

  • 「今日は1日ドラクエBGM」と決めて通勤・通学する
  • ドラクエⅢ〜Ⅴあたりのセーブデータをロードして“ふるさと”に帰る
  • 家族に「ぱふぱふって何?」と聞かれて気まずくなる
  • 「ロトの紋章」や「ドラゴンクエスト列伝」など、関連書籍を読み返す

要するに、“自分にとってのドラクエ”と向き合う1日なんですよね。

派手なイベントがあるわけでもないけれど、 SNS上で静かに、でも確かに「共感」と「思い出」が共有されている。

これもまた、ドラクエが“国民的”と呼ばれる所以でしょう。

スクエニ公式の「ドラクエの日」施策にも注目

近年では、スクウェア・エニックスもこの記念日に合わせて

  • 新作発表(ティザー映像やプロジェクト公開)
  • シリーズタイトルのセール(最大50%OFFなど)
  • コラボグッズ・記念グッズの発売

などを展開することが増えており、 「ドラクエの日」が公式とファンをつなぐハブとして確立されつつあります。

ファンとしては、毎年“サプライズ”を期待してしまいますよね。

編集者として感じる、ドラクエの“永遠性”

最後に、ゲームライターとしてドラクエに携わってきた立場から、 個人的な感情も少し込めてお話しさせてください。

ドラクエは、決して“斬新なゲーム”ではありません。

でも、その“王道”が、どんなゲームよりも心に残る。

勇者が仲間と出会い、旅をして、最後に世界を救う。

その過程にある「小さな選択」や「心が揺れる瞬間」に、ドラクエは全力をかけてきたと感じます。

プレイヤーひとりひとりの人生に、ちゃんと寄り添ってきた。 だから、ドラクエは“ゲームの思い出”でありながら、“人生の思い出”にもなりえるのです。

5月27日というこの日に、 そんな「人生に寄り添った冒険」をもう一度、思い出してみませんか?

たとえモンスターと戦わなくても。 ルーラが使えなくても。 今日という日は、あなたが“勇者”だったあの日を思い出すのに、ぴったりの日です。

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