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【EVO Japan 2025】MenaRDが史上初の2連覇達成!

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この記事の要約

2025年5月、東京ビッグサイトで開催された『EVO Japan 2025』。格闘ゲーム最大規模の祭典で、ストリートファイター6部門は世界的プレイヤー・MenaRD選手が圧巻の2連覇を達成し、再び歴史を塗り替えました。本記事では、EVO Japanの現地熱狂レポートを交えつつ、MenaRDの進化、試合内容の分析、そして格ゲーシーン全体への影響を多角的に掘り下げます。

EVO Japan 2025──格ゲーの“春の甲子園”、今年も激アツ

国内外のトッププレイヤーと熱狂的ファンが一堂に集まる格闘ゲームの祭典「EVO Japan」。 2025年もその熱気は健在──いや、むしろ“過去最高”だったと断言していいかもしれません。

会場は東京ビッグサイト。広大なブースに設けられたステージ、試遊エリア、物販、サイドトーナメント──そのすべてが「格ゲーを文化にしたい」という運営陣の執念に満ちていました。

その中でも、注目の的はやはりストリートファイター6部門。 新バージョンのバランス調整後、初の大規模大会ということもあり、全世界がトップメタの動向に注目していたのです。

そして、優勝者の名は──再び、あの男。

MenaRD。

2024年大会を制した“ドミニカの怪童”が、 2年連続のチャンピオンとして帰還しました。

MenaRD、史上初のEVO Japan 2連覇──その軌跡

MenaRDは、2017年のカプコンカップ覇者であり、2023年にも同大会を制して“二冠王”となった現代格ゲーの象徴的存在。彼の代名詞とも言える「ブランカ」による奇想天外な動きと超攻撃的スタイルは、スト6でも健在でした。

EVO Japan 2025のトップ8には、日本のRyukichi選手、韓国のNL選手やLeshar選手などが並ぶ中、MenaRDはまさに“圧倒的”なパフォーマンスで勝ち上がっていきます。

グランドファイナル:MenaRD vs Ryukichi

決勝戦の相手は日本人選手・Ryukichi。 ケンを自在に操るプレイヤーとして注目されていた新星です。

試合はまさに“読み合いの応酬”。 ケンのトリッキーな毒攻撃を、MenaRDはリズムと状況判断で封じ込め、 逆にブランカの電撃的な奇襲から大きなコンボに繋げる冷静さを見せました。

最終スコアは3-1──MenaRDの圧勝。 連覇の瞬間、観客席からは「ウソだろ!」「またMenaかよ!」「神すぎる!」という歓声と悲鳴が混じったような叫びが響きました。

プレイヤーとしての“成熟”──若き怪童が手に入れた冷静さ

MenaRDの強さは、派手な技術だけではありません。

以前は“ガチャプレイ”と揶揄されることもあった彼のスタイルが、 今や“理詰めで暴れる知性派”へと昇華しているのが見て取れます。

とくに、今回のEVO Japanで顕著だったのは

  • ● 「攻め」と「待ち」のメリハリ
  • ● キャラ対策の徹底(とくにJP・AKI戦)
  • ● 体力リード時の逃げ切り判断力

その立ち回りは、かつての“爆発力任せ”とは明らかに別物。 そして何より、敗者復活から勝ち上がってきたRyukichiに対して“圧をかけ続ける”姿勢には、王者の風格すら感じました。

EVO Japan 2025会場の熱気──“リアルに震えた”格ゲー空間

東京ビッグサイトという、あまりに広すぎる会場が、“格ゲー”というニッチジャンルのためだけに埋め尽くされた――それだけで、筆者は少し泣きそうになりました。

スト6、鉄拳8、グラブルVS、KOF XV、UNI2…そして新作『Fatal Fury: City of the Wolves』まで。 あらゆるタイトルのブースが設けられ、メインステージでは絶えず歓声と溜息が交錯していたのです。

筆者が会場にいたのは決勝日の5月11日。グランドファイナル前後には、立ち見客が10列以上。メインステージに設置された大型スクリーンではMenaRDの姿に照明が当たり、世界中の視線を浴びていました。

「eスポーツってここまで来たんだな」 その実感が、リアルに肌で感じられる空間でした。

EVO JAPANで語られたもうひとつの物語──注目の選手たち

もちろん、MenaRDだけが主役ではありません。今回のEVO Japanは、“次世代”の可能性を見せてくれた大会でもありました。

■ Ryukichi(日本)

“ダークホース”の代表格。ケンを使いこなし怒涛の連勝。彼の冷静かつ大胆なスタイルに「JPメタ後の新時代感」を感じたプレイヤーも多かったはず。

■ Kobayan(日本)

ザンギ使いとしての精度の高さはもはや芸術。地上戦とゲージ管理が神がかっており、記者席でも「こいつだけ世界線違う」と評されていた。

■ Leshar(韓国)

エド・舞の精密機械ぶりは今年も健在。地味に見えるが、1ラウンドの“作り方”はまさにお手本。韓国シーンの層の厚さを象徴していた。

これらの“挑戦者”たちの存在こそが、MenaRDの“王者感”をさらに際立たせたのです。

ストリートファイター6のメタ、ここからどう動く?

大会後、話題となったのが「スト6の環境変化」。 今回のパッチではJPの“お仕置き”が話題となったものの、やはり高水準でのバランスが保たれていると感じました。

■ ブランカの評価が一段階アップ

MenaRDの使用によって「実はブランカ強いのでは?」という見方が再浮上。特にDrive Systemとの相性やジャンプ攻撃の圧力が再評価されつつある。

つまり、SF6はいよいよ“プレイヤースキルと読み合い”が強く反映されるメタに突入してきたのです。

MenaRDの言葉──勝者の姿勢と、ドミニカン魂

試合後のインタビューで、MenaRDはこう語っています。

「2連覇は通過点。俺はSF6というゲームが“歴史になる瞬間”をもっと見たいし、自分がその中心でありたい」

彼は陽気な性格で知られながらも、 プレイ中は表情ひとつ変えない。 インタビューでは仲間と笑い合いながら、 カメラの前では誰よりも“勝者の顔”をしている。

そのギャップこそが、彼が“世界のトップ”であり続ける理由なのかもしれません。

EVO Japanが描く“格ゲー文化”の未来図

格闘ゲーム──かつては「ゲーセンの隅にあるマニアの遊び」だったこのジャンルは、今や世界中で何万人というプレイヤーがしのぎを削る、eスポーツのひとつの柱へと成長しました。

その進化の象徴が、EVO Japanです。

国内外の名プレイヤーが競い合い、観客は戦いをリアルタイムで目撃する。 イベントではコスプレイヤーが笑顔で写真を撮り、グッズを手にした子どもたちが「いつか出たい」と目を輝かせる。

そう、この空間には“未来の格ゲープレイヤー”が溢れているんです。

しかも、格ゲーは他ジャンルと違い、必ずしも若さや反射神経だけが求められるわけではありません。 読み合い、試合構築力、経験値──“人間力”が勝敗を左右するジャンルなのです。

だからこそ、EVO Japanのような場で、“世代”や“国境”を超えた熱狂が生まれる。

MenaRDというプレイヤーの存在は、そんな「多様性を抱える格ゲー」の象徴そのものでした。

MenaRDが示した、プレイヤーとしての“在り方”

MenaRDは、ドミニカ共和国出身。 決して経済的に恵まれた地域ではありませんが、地元の支援、仲間たちとの絆、そして彼自身の努力によって、世界王者というポジションにたどり着きました。

彼は常に発信をし続けます。 SNSではコミュニティ支援、ローカル大会開催、初心者へのアドバイス投稿…。 「強いだけじゃない」──彼は“場を創る側”でもあるのです。

「格ゲーで人生は変えられる。それを証明したい」

この言葉には、彼がどれだけこのジャンルに人生を捧げてきたかが詰まっています。

そしてそれは、多くの若手プレイヤーの“目標”として存在し続けるでしょう。

格ゲーの未来は、コミュニティと共にある

EVO Japan 2025は、単なるトーナメントではありませんでした。

それは、観る人・支える人・挑む人──あらゆる立場の“格ゲー好き”が繋がれる、“場”の象徴だったのです。

イベント終盤、帰り道で見かけた光景が忘れられません。 カプコンの袋を持った中学生くらいの男の子が、父親にこう言っていました。

「あのMenaって人、なんであんなに落ち着いてるんだろう…カッコよかったな」

格ゲーは、まだまだ広がる。 強さの定義も、楽しみ方も、日々更新されていく。 そしてそこには、必ず“誰かの憧れ”が存在している。

勝者は一人だけ。でも、プレイヤーは何万人もいる。 だから格闘ゲームは、終わらない。

EVO Japan 2025は、MenaRDの大会だった。

しかし同時に、すべての格ゲープレイヤーが主役になれる「未来への招待状」でもあったのです。

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